トロント(カナダ)在住20年の筆者が、カナダ国内旅行やトロント市内を中心としたイベントで撮影した写真で綴るブログです。
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2015年12月6日日曜日

アシュケナージ・ポーランド人経営の「United Bakers」で本場仕込みのシャショーカを食べる



ふとしたきっかけで知った、トロントの老舗ファミリー・レストラン「United Bakers」に行ってきました。
http://unitedbakers.ca/



創業1912年と言いますから、100年以上も営業を続けているお店。創業オーナーのAaron and Sarah Ladovsky夫妻はポーランド人。キルツェという街からカナダに移民をし、当時ユダヤ人が多く住む「The Ward」と呼ばれていたネイバーフッドの東側に「5 cent Coffee House」という名前の店を開業。毎朝パンを焼き、簡単手軽なランチを提供したのが始まりです。



「The Ward」と呼ばれていたのはクイーン/ユニバーシティー/カレッジ/ヤングに囲まれたエリアで、19世紀初頭には貧困層の住処として有名で、恐らく賃料が安く移民し始めたばかりで財力がない彼らにとって、最初の店を開くのには好都合であったのでしょう。

彼らが話していたのが、ドイツ語の方言の一つYiddish (イディッシュ語)。ユダヤ人の話すヘブライ語とつながりが深く、迫害によってイスラエルを追われディアスポラとしてドイツ語圏と東欧諸国に住むようになったユダヤ人(アシュケナージ)によって、現在では北米も含めると400万人によって使われている言葉なのだそうです。開業当時は、祖国を懐かしむ人々が集まりイディッシュ語の会話が店内にあふれていたようです。創業者の国のルーツはポーランドですが、彼らの足あとを辿って行くとイスラエルまで遡ることができる、トロントならではのストーリーがあるようですね。ユダヤ人が多く住む「The Ward」から始まった店舗が、常にユダヤ人の移動とともに場所を変えていった理由もうなずけます



お店は毎日営業。行ったのは先ほど、日曜日の朝8時半でした。



場所はローレンスとバサーストの交差点北西のプラザ内。現在トロントにおけるユダヤ系の人々が多く住むエリアにあります。お店に入ると左手奥がベーカリーになっていて、ガラスケース内にサンドイッチやらパンなどがずらりと並び、近所の常連さんがひっきりなしにやってきます。



テーブルは正面から奥。適当に座って待っていると、ウエイトレスさんが「コーヒー?」と聞いてきます。



実はこのお店を知ったのは、伝統的なじゃがいも料理の「POTATO LATKES(ラトクス)」を一度食べてみたいと思ったことがきっかけでした。



メニューにはあるのですがディナーで出てくるようで、時間が朝食時だったため、ユダヤ人の朝食としてよく知られている「SHAKSHOUKA」を注文してみました。ウエイトレスさんは「シャショーカ」と発音していました。
メニュー:http://unitedbakers.ca/wp-content/uploads/2013/09/UB_menu_Sep-2-2013-FINAL.pdf



10分もしないうちに出てきたシャショーカ。メニューには「savoury tomato sauce topped with two eggs, served with pita」とありましたが、こんな感じです。お皿にトマトソースをしき、フライパンで調理した目玉焼きを乗せたというような仕上がり方でした。



トマトソースは、コクがあってなかなかスパイシー(クミンが入っているせいでしょうか)な味付け。基本が野菜なのでボリュームがあるように見えるわりに、そうでもありませんでした。



スプーンがついてきました。これだと確かに食べやすい。



ピタにつけて食べるのが正式な食べ方とのこと。タマゴは2個、ちょうどいい具合の半熟になっていて、挟んで食べるととてもおしかったです。



お会計はコーヒーも入れて約14ドル。



お店に入って出るまでが約30分。手軽に手早く食事を済ませることができるのがこの店の伝統ですが、店舗の生い立ちがわかると、またトロントならではの味わいがでてきて、楽しかったです。